県道道メモ(2003年4月3日)

金砂大祭礼が終了

昨年(2002年)の、茨城県における最大のイベントを挙げるとするならば、何と言ってもサッカーワールドカップの茨城県開催だったでしょう。鹿嶋市のカシマサッカースタジアムで3試合が開催。県内でも各地で大型スクリーンによる中継が行われ、人々の熱狂を呼んだのは記憶に新しいところです。

さて今年の茨城県の最大イベントはといえば、3月22日から始まった「金砂大祭礼(かなさだいさいれい)」ではないかと思います。「金砂大田楽」とか「磯出大祭礼」とも呼ばれます。金砂郷町(かなさごうまち)にある西金砂神社(にしかなさじんじゃ)と水府村(すいふむら)の東金砂神社(ひがしかなさじんじゃ)のお祭りなのですが、何がすごいのかというと、なんと72年に1度しか行われない祭りなのです。第1回が仁寿元年(西暦851年)で、今回が第17回。前回開催されたのは昭和6年(1931年)のことでした。

東西の金砂神社から500人ずつの渡御行列がそれぞれの神社を出発。途中で常陸太田市の中心部を通り、日立市の水木浜という海岸までを1週間かけて往復(約75km)し、途中の各地で代々伝わる田楽舞を披露する、という壮大な祭りなのです。

その昔、金砂神社の神が最初に水木浜の磯にアワビの舟に乗って現れ、その後当地に鎮座したといういわれがあり、そのため水木浜まで行列が往復する祭りになったのだと言われています。

で、その行列のルートとしていくつかの県道路線が使われているそうなので、私も以前から非常に気になっていました。何と言っても72年に1度ですから、今回見ないと間違いなく一生見られない。行きたいなーと思いつつ、3月31日をもって終了してしまい、結局見に行けませんでした。ううう…。

新聞の茨城県版では期間中は連日紙面を割いて報道しており、またローカルニュースでも特集を組んでたりしていたのでそれらを見ていると、どえらい数の見物客が押し寄せていたそうで、これはもし行ったとしても行列を見るだけでも大変だろうな、と思って気後れしてしまいました。最終的に全体で延べ94万人の人出があったそうです。

結局私は見に行けませんでしたが、祭りの興奮はメディアを通して充分に感じることができました。現代はコンピュータ社会だ、インターネットだ、デジタル放送だ、ユビキタスだ、とめまぐるしく動いていて、ついていくだけでも大変な世の中なのですが、そんななかで1200年ものあいだ変わらずに人々に伝承され、絶えることなく続いているひとつの伝統。なにかロマンを感じさせてくれるできごとでした。

次回の開催は2075年。その頃にはどんな世界になっているんでしょうね。

よくよく考えてみたらそのときまで生きている可能性もゼロではないな…。でも普段不摂生な生活をしているので多分無理だろうな。