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袋田の滝に近い国道461号の旧道にある月居(つきおれ 又は つきおり)トンネル。竣功は明治19年と言われており、新渡戸稲造の兄・七郎が技師として建設工事に携わったそうです。
明治17年、アメリカ留学を前にした稲造は、月居トンネル建設工事のため大子町袋田へ赴任していた七郎の元を訪ね、袋田温泉に宿泊しました。弟の留学を喜んだ七郎は、せん別として稲造に300円を渡したそうです。そののち稲造の留学中に七郎は46歳で亡くなったため、この時が兄弟の最後の別れとなりました。
1世紀近くの間、人々の往来を支えた月居トンネルは、昭和51年に新月居トンネルが開通した後は旧道となり、現在は信号機が設置され交互通行となっていますが、車両の通行は可能となっています。