2001年4月13日 作成
2007年12月16日 更新
ある日、家でいつものように茨城県道路地図を眺めていたら、ふとあるページが目にとまった。思わず「なんじゃこりゃー!」と叫んでしまった。それが私と結城市との初めての出会いであった。
市街地を網の目のように県道が錯綜している。慌てて他の道路地図を調べたら、それぞれの地図で県道の路線図が異なっていた。あるものは県道17号(結城野田線)が最後にカクッと曲がっているし、あるものは真っ直ぐぶつかって終わってる。また県道146号(結城石橋線)と147号(小金井結城線)との関係(どっちが県道35号と結合しているのか)も良く分からない。どの地図が正しく県道を表しているのか、私は全く混乱してしまった。
これは現地調査しかない! と思いたったらいてもたってもいられなくなるのが私の悪いクセだ。しかしその前に落ち着いて「県道の認定調書」とゼンリン住宅地図で正式な起終点を調べてからにしよう。
というわけで、2001年4月12日、早起きして特急で水戸へ。まずは県立図書館で結城市のゼンリン住宅地図をくまなく調べた。どうやら県道の正確さでは一目置かれているマップルですら間違えているようであった。また地図ソフトウェアMapFan V(あるいは MapFan Web)も間違えているようだ。「県道の認定調書」に基づき、私なりに結城市街の県道路線図を解明した。
そして昼から水戸線に乗って結城へ。いくつになっても、生まれて初めての街を訪れる時は鼓動が高鳴るものだ。まずは駅前のラーメン屋でラーメンを食べた。そして午前に調べておいた路線網を確認するために歩き始めた。
左の地図で、色付きの道は県道、黒い破線は一般道、道沿いの小さな数字は番地(すべて結城市大字結城)です。
結城市街の主な交差点ごとに1つずつ章を設け、説明を付けました。
左の地図で、丸数字が付いた交差点をクリックすると、その交差点を説明する章へジャンプします。
またヘキサが立っていた場所にはヘキサの絵が付いています。その絵をクリックするとヘキサの写真を表示します。
または下の目次からご覧ください。
駅前のロータリー。
このロータリーの付け根が県道302号(結城停車場線)の起点である(と思う)。
角にあるのが「結城ゴータク」(結城合同タクシー)。ゼンリン住宅地図によるとここが番地が最も近い。
ちなみに左端に見える赤い帯の店がラーメン「麺や」。結構うまかった。
同じく、少し角度を変えて見た図。
ゼネラルのガソリンスタンドとパチンコ屋が目印。
交差点から県道20号方面を眺めたら、さっそくあった文字ヘキサ。うひゃひゃーこれを見つけただけでも大収穫だ。
でも結局この後あちこち歩いて見つけたヘキサは全部文字ヘキサのオンパレードで、文字ヘキサマニアの私にとっては酒池肉林状態だったのだが、逆にありがたみが薄れてしまったのだった。
県道302号(結城停車場線)は昔ながらの商店が立ち並ぶ美しい道です。
沿道の建物はとてもシックです。
そのうちのひとつ、足利銀行向かいの「秋葉みそ」。
蔵のまちとしては喜多方や川越が有名ですが、結城も負けず劣らずだと思いました。
県道302号方面から少し離れて撮った写真。茶色の建物が結城市郷土館。本場結城つむぎを紹介しているらしい(中に入らなかったので詳細は不明)。
そして奥の交差点が県道302号(結城停車場線)の終点であり、かつ県道35号(宇都宮結城線)の終点でもある交差点。その奥の角に見える青い建物が「居酒屋おかめ」が入っているテナント。
それにしても、宇都宮市街ど真ん中から県境をまたいでやってくる主要地方道が「居酒屋おかめ」で終結するというのは、なかなか味なものである。
ところでその交差点のそばに常陽銀行があり、その前のバス停の名前が「大町銀行前」となっている。
たしかどこかでここには昔由緒ある銀行があり、途中で常陽銀行に買収されたという話を聞いたことがあるような気が…。もうすこし調べてみます。
東側から撮ったもの。左角の茶色い家が改装中のこじま薬院。県道認定調書によると県道17号起点はこの交差点である。
ちなみにこの少し先に県道17号(結城野田線)文字ヘキサがあったし、右折したところには県道264号(小山結城線)文字ヘキサがあった。県道の認定調書・ゼンリン住宅地図・および現地調査に矛盾はない。バンザイ!
県道302号(結城停車場線)を全線徒歩により踏破したのだが、どうやらヘキサはないみたいであった。残念に思いながら、そのまま「居酒屋おかめ」交差点を直進して県道35号(宇都宮結城線)に入ってふと後ろを振り返ると、なんと結城停車場線の文字ヘキサがあるではないか!
矛盾する県道302号ヘキサの写真。奥に見える交差点が居酒屋おかめ前。コインランドリーアオキも見える。
うーんおかしい。この1個北側にもう1つ信号つき交差点(右折すると結城市役所方面)があるからそこが本当の県道302号終点なのか? しかしそうすると県道認定調書と矛盾してしまう。…私は悩みながら、県道35号を北へ向かった。次の問題は146号・147号問題である。
別角度から撮ったもの。正面が平和堂化粧品。
この交差点は少々Y字型で、信号もなく、おまけにトラックも頻繁に通るので結構危険な交差点だと感じた。信号の設置が必要なのでは?
県道146号側の案内。
さて、県道146号(結城石橋線)に入り、次は県道147号(小金井結城線)起点へと向かおうとしてすぐに、私は愕然とすることになる。
ギャー! ここは県道147号なのか…。確かに「スーパーマップル茨城県道路地図」ではこの区間は県道147号と書いてあり、県道認定調書と食い違うのでマップルが間違っているのだろうと考えたのだが…。
県道認定調書と現地の表示が食い違っているのは先ほどの県道302号(結城停車場線)に次いで2例目だ。
またもや釈然としないまま、次の交点(すぐそこに案内が見えている)まで歩いた。
……ということで、正味2時間半歩きつづけ、多くの謎は解明されたのだが、いくつかの謎は残った。「県道の認定調書」と現地に立っているヘキサ(および案内板)が矛盾しているのだ。
いったい私は何を信ずれば良いのだ。混乱は深まるばかりであった……。まあでも多くの謎は解明できたので良しとしよう。夕焼けに包まれた結城市をあとにして電車で帰った。
最後に、結城市は思っていたよりずっと小さくて風情のある街だった。また外国の人々がわりとたくさん歩いてたのが印象深かった。結城駅からの帰りの電車は小山方面からの通勤通学客でごったがえしてて、この街の栃木県とのつながりの深さを感じた。(おわり)