2001年7月30日 作成
大田郷(おおたごう)駅は、茨城県西部の下館駅と南部の取手駅を結ぶ私鉄「関東鉄道常総線」にあり、下館駅の1つ隣の駅です。そしてその駅から伸びている道が県道太田郷停車場線です。
道路現況調書によると、この路線には「交通不能延長」すなわち大きな車が通れない区間があるらしい。これは現地で調べねばと思い、ローカル列車に揺られて大田郷駅へと向かいました。
さて、大田郷駅に到着。思ったよりきれいな駅舎です。
地図では太田郷停車場線は駅の東側から出ているので、てっきり東側が表玄関だと予想していたのですが、駅の西側が表口でした。
なんだ、かえって道が太くなっちゃった。
交通不能区間はどこなんだろう?
太田郷停車場線のほぼ中間あたりの地点にて。家の壁にデカデカと貼られている看板「ホーム寝装杉山→」。
周囲が単なる田舎道なので、思いっきり目立ってました。
そして、さらに道が広くなり、車がガンガン通るようになってしまいました。
どうやら交通不能区間はどこを探しても見当たらないようです。
終点付近に唯一あったヘキサ。茨城の中では何の変哲もないヘキサですが、下部にくっついている路線名「太田郷停車場線」がこの後ドタバタ騒動を引き起こすとは、当時の私には思うすべもなかった。
以上のように、最大の目的であった「交通不能区間」は、起点から終点までの間にはどうも見当たりませんでした。
ひょっとして、私が信じ込んでいた起点(駅の裏側の交差点)は本当の起点ではなく、駅の表口から(この文章の最初のほうで私が渡った)歩道橋を渡る部分も県道なのかも? だとしたら、前代未聞の「歩道橋県道」になるのだが…。でもそれは可能性は薄いでしょう。
今回も何となく割り切れない思いを抱いたぶらり旅でした。(おわり)
さて、家に帰って数日が経過し、今回のぶらり旅の文章を執筆しようとして、資料をひっぱり出したところ、今まで気付かなかった大問題が発覚しました。
関東鉄道常総線の駅は「大田郷駅」なのに対し、県道の路線名は「太田郷停車場線」。先頭の漢字が「大きい」という字と「太い」という字とで、なんと異なっているのです。道路現況調書、県道認定調書、そして現地のヘキサにくっついている路線名の看板も、すべて「太」になっており、これが県道路線の正式名称なのでしょう。
したがって、上記のぶらり旅の文章では「大田郷駅」と「太田郷停車場線」というように使い分けて記述してあります。気付きましたか?
でも、なぜこんなことになってしまったのでしょうか? 謎は深まるばかり。
今回は割り切れなさの残るぶらり旅だったので、ネタ作りにと思い、大田郷駅で帰りの列車を待っている間、駅に貼ってあった「騰波ノ江駅、関東の駅百選に認定」のポスターの文章の一部をメモしてきました。騰波ノ江駅は関東鉄道常総線で大田郷駅の2つ南にある駅で、時間がなかったので立ち寄ることはできなかったのですが、駅舎がとても良い雰囲気の素敵な駅でした。この駅には停車場線が存在しないのが残念です。
以下に、ポスターの文章を掲載します。
騰波ノ江駅、関東の駅百選に認定
当駅は大正15年(1926年)8月15日開業。
「騰波ノ江(とばのえ)」とは、奈良時代の風土記に「騰波ノ江(とばのおうみ)」、万葉集に「鳥羽の淡海(とばのおうみ)」と記されたことに由来するといわれております。
往古、鬼怒川が下妻付近で小貝川に合流していた頃、一帯は広大な湿原状の湖であったというのが騰波ノ江の語源といわれています。