今年の3月22日に岩井市(いわいし)と猿島町(さしままち)が合併して誕生した坂東市(ばんどうし)ではこのほど、合併により付け替えられ不要になった「岩井市」・「猿島町」の名前が入った道路標識を、希望する市民に無料で配布する企画を行いました。通常は不要になった道路標識はリサイクル業者に引き取ってもらうそうなのですが、市民から「記念にもらえないか」との要望があり、今回の実施となりました。県内では初の試みだそうです。
標識は大きく分けて2種類あり、市町村界に設置されていた市章・町章入りの「岩井市」「猿島町」標識(各9枚)と、県道のヘキサに付けられていた地区名入り標識(31種120枚、下図参照)で、合わせて33種138枚が配布されることになりました。市が広報などで希望者を募集したところ、予想を超える申し込みが殺到。応募総数は447件になり、競争倍率は最大で13.4倍(「岩井市」の市町村界標識)にもなったそうです。抽選にめでたく当たった人に、今月20日から26日の間に引渡しが行われました。受け取りに来た人たちは「思い出の旧市町名が入っていて記念になる」と喜んで持ち帰っていったそうです。
今回の坂東市の試みはとても良かったと思います。慣れ親しんできた市町村名に対する人々の愛着は予想以上に高いのだなあという印象を改めて受けました。私も道路が好きな人間ですので、道路標識が頂ける機会があれば頂きたいなあとは常々思っておりますが、一番欲しいのは何と言っても「文字ヘキサ」(六角形の標識の中に県道番号ではなく路線名が書かれている標識)です。まだあまり各地の実地調査をしていないので断定はできないですが、今回の各地の合併による地名標識付け替えに伴い、ついでに文字ヘキサを新しい通常のヘキサ(数字ヘキサ)に付け直す作業を着々としているのではないかという感じがしているんです。もしそうだとすると、撤去された文字ヘキサは不要になるわけで、リサイクルに回すのであればぜひ欲しいなあと思っているのですが…。ここはひとつ、県庁が不要な文字ヘキサを配布する企画をやってくれないかなあ。やらないよなあ。