県道道メモ(2005年2月14日)

「ゲレンデ県道」をスキーで滑走

先週末の3連休の前半2日間(2月11日〜12日)を利用して、長野県の松本市方面へスキーに行ってきました。1日目は奈川村(ながわむら)の「野麦峠スキー場」で滑って、松本市の北隣の四賀村(しがむら)にある温泉宿に1泊、翌日は安曇村(あずみむら)の乗鞍岳中腹にある「乗鞍高原温泉スキー場」へ行きました。

乗鞍高原温泉スキー場へ来るのはおととしに次いで2回目。パウダースノーで知られ、様々なコースが楽しめるごく一般的なスキー場なのですが、県道フリークとしては何と言っても「県道そのものがスキーゲレンデになっている」という驚異のスキー場となっているのです。おととし初めてここを訪れたときは、ゲレンデをスキーで滑る途中で目に飛び込んできた長野県道84号(乗鞍岳線)のヘキサに目が点になり、あまりの感動にしばらくその場を離れられませんでした。今回2年ぶりに再訪し、ゲレンデ上のヘキサが健在であることを確認して、ほっとしました。

スキー場のゲレンデになっている長野県道84号
スキー場のコース上に立っている長野県道84号(乗鞍岳線)のヘキサ。(2005年2月12日撮影。画像をクリックすると拡大表示します。)

長野県道84号(乗鞍岳線)は別名「乗鞍エコーライン」と呼ばれ、松本市中心部から来る国道158号の奈川渡ダム付近から分岐し、乗鞍岳山頂方面へ向かう県道です。途中の乗鞍高原から山頂方面の区間は2003年度から通年マイカー規制が開始されたことでも知られています。冬は乗鞍高原温泉スキー場の駐車場から先は冬季閉鎖となり、道路上に雪が積もってスキー場と一体化してしまい、この現象が起きているわけです。一緒に行った友人は今回これを「ゲレンデ県道」と命名してくれました。

乗鞍高原温泉スキー場と県道84号
乗鞍高原温泉スキー場と県道84号との関係の概略図。地図としては全く不正確ですが、だいたいこんなイメージということで…。

実際に現地を訪れると、ゲレンデのコース上に突如として県道84号のヘキサが出現するさまは圧巻で、他のスキー客も標識を見て「おお、ここは県道なのか!」と感嘆の声を上げる人が続出、ヘキサの横でポーズをとって記念写真を写す人が多数いました。私はこの光景を横目で眺めながら、「県道が人々の心をくすぐることもあるんだなあ」と心の中でニヤニヤしました。

さらにこれは今回初めて知ったんですが、上記のヘキサがある場所を起点として、県道の道路自体がそのまま1つの独立したゲレンデコースになっている箇所があるため、高低差約200メートル、道のりにするとおよそ2〜3キロメートルにわたり県道そのものをスキーで滑走することも可能になっています。「県道コース」とでも言うべきこのコースは乗鞍高原温泉スキー場の中ではマイナーな存在らしくて、滑っている人がほとんどなく、また途中でアルプスの山々を見渡せる絶景ポイントもあり、「ゲレンデ県道」を楽しむには最高のコースになっています。ただし本来は道路なので、通常のゲレンデに比べて斜面が緩く、どちらかというとクロスカントリー的な要素が強いコースです。ここにもコース途中にヘキサが何本か立っていました。

長野県道84号の林間スキーコース
林の中を進む県道84号。一見すると雪道の県道ですが、れっきとしたスキーコースになっています。(2005年2月12日撮影。画像をクリックすると拡大表示します。)

県道をスキーでトレースすることができるなんて、とても幸せな気分でした。乗鞍高原温泉スキー場のある安曇村は、1ヵ月半後の4月1日に奈川村・四賀村・梓川村と共に松本市へ編入合併されることが決まっているので、この「ゲレンデ県道」も今後は松本市の中に位置することになります。機会があればまた行きたいな。